辛い時に心の支えになる言葉
一昨年買った
マーガレットの花が
2階の出窓で咲いた
私のウエディング衣装の
胸元に装飾されていたのも
マーガレット
結婚が決まり
仕事帰りにフラット
寄った店で
胸元にマーガレットがあしらわれた
ウエディングドレスに
一目惚れ
即買いしてしまった
借りるより安く
なんと言っても
デザインが気に入ったから
ところが
それを知った母が
寂しそうに
していたのが
忘れられない
オシャレな母は
どうやら
一緒にウエディングドレスを
それこそ生地選びから
したかったようだった
私が30歳そこそこのころ
突然母が
ヨーロッパ旅行にいくから
スーツケース大きいの
貸して
と言ってきた
もともと英語の教師をしていたので
海外旅行は好きで
フラッと行く
でもあの寒がりやの母が
よりにもよって
この寒い時期に
ヨーロッパ旅行なんで
そりゃ
冬物で荷物も多くなるわけだ
「生命保険解約して
そのお金でいくのよ」
と楽しそう
お土産にと
孫たちにいい音楽聞かせた方がいいと
モーツァルトのCD(昭和を感じる)
買ってきた
なんとその2ヶ月後
突然母から電話
お腹が痛いと
慌てて実家に行くと
ただならぬ状況
救急車をよんで
近くの大学病院へ
点滴をして
検査をし
その日は自宅へ戻ってきた
そのあと2回通院
兄と変わりばんこに
病院での長い待ち時間
久しぶりにゆっくり母と喋った
子育てと仕事で
てんてこまいだった私は
結婚後もあまり実家には行かず
ある時
お母さんが寂しがっているから
たまには
帰ってこないか
と父から電話があるくらい
病院で流れていた音楽に
「この曲いい曲ね 私好き」
と言っていた母
「これねカノンっていう曲よ」
と返答する私
次に病院に付き添ったのは兄
そこで先生から
色々と話があったらしい
その時
兄は何も言わなかった
入院当日
ちょっと
「海外旅行いくつもりでいて」
と母はそれこそ玄関のサンダルで
そのまま入院した
明日も来るからねと
言って帰ると
兄から連絡あり
実は癌の末期だと言われた
母には言うなよと
次の日
母にどんな顔したらいいか
まずは病院のトイレで
泣き顔を直して向かった病室
病室はカラだった
脳梗塞だった
その後 母は
しゃべる事も出来ず……
母は入院1ヶ月で
あちらの世界に行ってしまった
まさか
母が60歳そこそこで
会えなくなってしまうなんて
いつも笑って
全てのことに感謝しなさい
どちらかといえば
マイナス思考の私
母のその言葉に支えられた
辛い時こそ笑うのよ
仕事で辛かった時も
よく私自身言い聞かせてた
私をよく知っている母だから
そういっていたのかもしれない
私はちゃんと伝えられているかな
子供たちに
大切な言葉
今日は母の命日
(今のコロナ過 海外旅行 結婚式など 気に障ったらごめんなさい)